アキバタマビ21 88回展「いまだかつてあるゆらぎ」

アキバタマビ21 88回展「いまだかつてあるゆらぎ」

2021年 4月3日(土)から5月16日(日)に グループ展「いまだかつてあるゆらぎ」に参加しました。
布の展示のほか、ARを用いた展示や赤外線カメラを使って3DCGのアバターが見る人の動きとリアルタイムに同期するインタラクションを展示しました。

於 アキバタマビ21

会場写真撮影 : ayako sasaki

・statement

頭に突き刺さった鉈、胸に刺さった短剣 = 

ドミニコ会修道士の聖ペテロ

紙漉きの技を伝えたといわれる川上御前

鍛冶屋に信仰される金屋子神

製鉄の神様、紙の神様、聖人たちように

情報やマテリアルと融合しながら想像の上で、または実際に自身の形を変化していく。

その、素材と私たちの融合を過剰に施し、聖性を得ることが装飾であり、その営為は素晴らしいと思いこのような展示にした。

全てで8つの作品で構成されており、そのうち6つは布に印刷されている。身体への装飾は布がその首座につく。布のゆらめきにたゆたう画は緩やかに動き出し、表情を変えていく。

それぞれの絵は特定の情報、マテリアルを纏うよう設定されている。

例にとれば

( シリコンウェハー、集積回路、結晶、プローブカード、導電、ネットワーク、ウェハーテスト、半導体素子、ダイ、  データベース、配線形成、結晶、読み取り、証明)の化身

( 落書き、一筆目、自動筆記、線画、ストローク、裏紙、フリーハンド、グラフィック、手の震え、こっくりさん、啓示、無限に出るインク)の化身

というように。それぞれの情報・マテリアルの複合体よりにじみ出てきたのが彼らである。

着飾ることの奇跡、装うことの素晴らしさ、マテリアルと融合することの進化・深化を、見るだけでなく、少し体験することはできないかと、製作した会場奥にあるディスプレイの前に立つと画面が切り替わり、鑑賞者の動きに合わせて画面の中のアバターも動く、アバターは今回絵の中で使われているマテリアル、要素をすべて纏い、高速で切り替える。高速で、マテリアルを、切り替える。この空間に宿された人類を私たちの体でシミュレートできる

「graph8」(2020) 2000 x 2000 x 600 木、布、42インチディスプレイ、PC、Realsense D435、Unity

その進化の先を保存できるよう。そして進化の先の未来を考えるため、この空間の1000年後の様子AR作品にし、スマートフォンで読み取れるようにした。1000年後の浅瀬の末広町。変色した布の間を子どもたちが走り抜ける。「STYLY」というアプリをダウンロードし、会員登録をした上で上記のARマーカーを読み取れば今あなたがいる地点でも見ることができる。

「3020」(2020) AR作品、STYLYプラットフォーム、スマートフォン、Unity

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