個展 「Evoking The 相転移NT」
個展 「Evoking The 相転移NT」
9/6(土)より新高円寺ゴリラの森にて個展を開きました。
「Evoking The 相転移NT」
日時:2025 9/6 – 9/13 13:30 – 21:00
場所:「ゴリラの森」
https://www.instagram.com/goriranomori_shinkouenji/
STATEMENT
●散歩について
散歩、それは目の前の風景に在る無数の物たちが、私の移動によって混然と重なり合い、組み合わされることで、瞬間瞬間に乱雑で美しい構図を作り出す驚異の時間。
あらゆる言語の百科事典の最初のページから最後のページまでの物たちが、組成も様相も独立した物が、遠くにある物たちと近くにある物が、今ここにいる私の視点という一つのフレームに収まって関係を作り出していく、そこに新しい意味が生まれたり、今までの意味が霧散したりする。そのような現象を散歩によって見ることができる。
●制作について
今、目の前にある物たちには大体、色と形が備わっている。
色と形が組み合わされることによってそこに存在が顕れる。
どのような存在にも次第に意味やボキャブラリが発生する。
そしてその存在がそこにあり続けることで、時間と空間が発生する。
制作というのは、そのような色と形によって、新たな意味、ボキャブラリや時間や空間を生成し、
調整し、発見し続ける作業であるとも言える。
●NTについて
多摩ニュータウンは、稲城市・多摩市・八王子市・町田市にまたがる多摩丘陵に、高度経済成長における深刻な人口増加やオイルショックによる住環境の見直しから、1966年〜2006年にかけて計画・開発された日本最大規模のニュータウン—- NT—- である。(一部wikiより)
多摩丘陵は、200万年以上前から続いている、関東平野の中心部が沈み、周縁部が高くなる関東造盆地運動によって作られた。この丘陵は、風雨によって作られた谷が入り組む複雑な地形となっており、そこに堆積した肥沃な土壌では耕作が営まれた。開発の際、縄文よりかつてあった集落の遺跡が多数出土し、そこからこの土地の恩恵を受けた古代の文明に想いを馳せることができる。この肥沃な谷は「谷戸」と呼ばれるようになり、ニュータウン造成の際も、多摩の里山として今も保存されている。
古代より自然が生成し続けてきた肥沃な谷と、40年の時をかけて人間が計画し造成されてきた土地、この二つの相の境目には鬱蒼とした森と、人間の居住環境を建造、維持するための量産された人工物が対峙しており、それぞれがそれぞれに覆い被さり、排除し、または混ざり合わさった結果、混然とした風景が作り出される。その重なりに、霧散した意味や視覚的な新しいボキャブラリが生じている様子を見出しながら散歩をする。
そしてそれに感銘を受けて絵を制作するが、そのボキャブラリは私の中に入り込むことによってまた一層変化する。まるで飲み込んだ氷が、私の体温によって溶かされ水に変わるように、ボキャブラリは頭の中で私の体温によって溶かされ、違う様相に変化し、表現される。肥沃な谷、人造物、それらの組み合わせは今度は私と組み合わされ、私のNTとなって顕れる。